ひげとらの英語

英語学習のポイントなどをお伝えするブログです。

正誤問題(3)解答・解説

・それでは,解説していきます。

※今回の解説は長くなります。ご容赦ください。

・今回は,「主語と動詞の一致」に関する問題です。こちらの記事の“ポイント①”に該当します。

higetora.hatenablog.com

 

(1) The great body ①of water ②embracing the continents of the Earth ③are known ④as the world ocean.

<正解> ③(are→is)

<訳>「地球の大陸を取り囲んでいる広大な水域は,世界(海)洋として知られている」

主語は“The great body”で,“単数”であるにも関わらず,それを受ける動詞がare knownとなってしまっています。主語は単数なので,areではなくisが適切です。

※本問の動詞は「受動態」の形になっています。

※主語を大きなカタマリでとらえると,“The great body of water embracing the continents of the Earth”の部分が,主語(のカタマリ)ということになります。このカタマリの中の大黒柱(メインの要素)は,1語でいうと“body”です。このbodyにof water とembracing…という部分が,後ろから修飾している構造になります。embracing ...の部分は現在分詞句で,「…を取り囲んでいる」という意味で,後ろから前の語句を修飾しています。

【補足】ふつうに読んでいく場合は,“body of water”が「水域」という意味の名詞句(名詞のカタマリ)としてとらえて,読んでいくことになります。今回は,正誤問題を解くにあたって,主語を確定する必要があるため,上のように“The great body of water…”の部分を分解して考えました。“body of water”をカタマリのままでとらえると,bodyの部分がメインなのか,waterの部分がメインなのかについて,誤解が生じやすいからです(文法上はbodyの部分がメインで,of waterが,それを修飾しているという構造になっていますが,意味上は(特に日本語から考えると)どちらがメインかわかりにくいと思います)。
 このように,細かい文法的な判断が求められるような問題(特に正誤問題)を解く場合は,より分析も細かくしていく必要が出てきます(もちろん,一見して誤りが分かるような問題であれば,その必要はありません)。ケースバイケースで,臨機応変に対応していく必要があります。

 

(2) In such a ①modern country as Japan, it is surprising to find ②that there ③is so many people ④who can't use the Internet.

<正解> ③(is→are)

<訳>「日本のような現代国家において,インターネットが使えない人がとてもたくさんいることを知るなんて驚きだ」

「存在」を表す“there is / are ~”の主語は「be動詞の後(“~”の位置)」にきます。したがって,“there is so many people who can't use the Internet”の部分の主語は,“so many people”になります(who以下はso many peopleを先行詞とする関係代名詞節です)。

so many peopleは「複数」ですが,受けているbe動詞が③isと単数になっているので,これをareになおす必要があります

 

(3) Every ①staff memberin this officehave a good ④command of English.

<正解> ③(have→has)

<訳>「この職場の職員は皆,高い英語の能力を有している」

“every ~”「すべての」“each ~”「それぞれの」は,意味的には複数ですが,文法的には単数扱いになります(“~”の部分には単数形の名詞がきます)。

・したがって,この文の主語である"Every staff member“は単数扱いとなるので,受ける動詞はhaveからhas(haveに“3人称単数現在形のs”がついた形)にかえる必要があります

※「everyやeachが単数扱いになること」については,大西泰斗先生がNHKの番組「しごとの基礎英語」の中で,「(“every”は1つ1つについて述べる)非常にpreciseな表現」と述べていたことが参考になると思います。

→同先生とポール・マクベイ氏の著書『FACTBOOK これからの英文法』の382~384頁にも,「everyはallより緻密な『すべての』です」,「個々が念頭に上る」,「(eachでは)個々が強く意識され」る,「(each handは(中略))しっかり1つずつチェックする感覚」と記されています。

☞つまり,everyやeachには「そこにあるすべてのものについて,『これもあてはまる,これもあてはまる』といった形で,1つ1つをチェックし,その上で『すべて』,『それぞれ』にあてはまる」ということを表している,といったイメージをもつとよいと思います。

“have a good command of English”は直訳すると「よい(十分に)英語を駆使する能力を有している」という意味です。“command”動詞で「命令する」という意味でよく知られていますが,名詞で「言語を自由に駆使する力」という意味もあり,こんかいはこちらの意味で使われています。

☞私はこのcommandについて,予備校の先生に「高尚なギャグ」との前置きの後,「このcommandの意味が,試験場でわからないと『困んどー』」とギャグを飛ばされ,一発で覚えました笑。

 

(4) Either Tom or John ①are goingto the party which ③will be held the ④day after tomorrow.

<正解> ①(are going→is going)

<訳>「トムかジョンの一方が,あさって開かれるパーティに行きます」

・“主語と動詞の一致”を問う問題で,一番やっかいなのがこの,「不定代名詞や部分を表す名詞,いわゆる複合主語などが主語になる場合」です。文法書に5頁くらい書かれているルールを一通り覚える必要があります

・本問の主語は,“Either Tom or John”です。「“(either) A or B”,または“neither A nor B”が主語になる場合は,一般に動詞に近い方(B)に合わせる」というルールがあるので,動詞“are going”は,John(単数)に合わせて,“is going”とする必要があります。

※この他のルールについては,以下に『ロイヤル英文法』の717~723頁をまとめたものを記しますので,参考にしてください。

 ・every ~ / each ~:単数扱い
 ・not only A but (also) B「AだけでなくBも」:動詞はBに一致させる
 ・A as well as B「BだけでなくAも」:動詞はAに一致させる
 ・not A but B「AでなくてB」:動詞はBに一致させる
 ・A (together) with B「BとともにA」:動詞はAに一致させる
 ・A after A「Aが次から次へ」:単数扱い
 ・many a ~ / more than one ~「多くの~」:単数扱い
 ・most [all, some, part, half] of ~
   ①“~”が単数名詞なら単数扱い
   ②“~”が複数名詞・集合名詞なら複数扱い
 ・one of ~:単数扱い
 ・a number of ~「多くの・いくらかの」:複数扱い
 ・the number of ~「~の数」:単数扱い
 ・その他の“a … of ~”:原則として“~”に合わせる

 

(5) The number of cats ①she hashave grown since ③she adopted her first cat ④three years ago.

 <正解> ②(have grown→has grown)

<訳>「彼女が飼っている猫の数は,3年前に最初の猫を引き取って以来,ずっと増えている」

主語は“The number of cats”「猫の数」です。さらにこれに,catsを先行詞として,目的格の関係代名詞が省略された関係代名詞節“(that)she has”がついた形となっています。

・先ほど記したように,「“the number of ~”『~の数』が主語になる場合は『単数扱い』」となるので,受ける動詞はhave grownではなく,has grownとなります。

※このhas grown「現在完了形」の「継続用法」で「ずっと…している」という意味を表します。現在完了形“have + 過去分詞”は,主語が“3人称単数”になると“has + 過去分詞”という形になります。

※「3人称」とは,「I・we・you以外のすべての名詞・代名詞」のことを指します。つまり,「3人称単数」とは「I・we・you以外のすべての名詞・代名詞のうち,『単数』のもの」を指します。

 

……今回の解説は以上です。お疲れさまでした。