正誤問題(2)
2.正誤問題を解く際に,意識しておくべきポイント
・正誤問題を得意にするためには,「誤りを見抜く『目』を養う」ことが重要です。そして,その「目」を養っていくには,やみくもに問題を解くのではなく,あらかじめ「狙われやすいポイント」を知っておき,それを意識しながら問題を解いていくことが大切です。
・そこで,最初に,正誤問題でよく狙われるポイントで,ひとまずこれらだけはおさえておいてほしいものを列挙します。これらを意識しながら解いていくと,誤りの箇所を見つけやすくなると思います。
①主語と動詞,もとの名詞とそれを指す代名詞など間に不一致はないか?
[例] 動詞がbe動詞の場合で,主語と動詞が離れた位置にある場合の不一致
×Tom and I am a friend.
☞Tom and I are friends.
※他には,「もとの名詞は複数形なのに,単数の代名詞で受けている場合」,「意味的には複数のように感じるが,everyなどのように単数扱いするものを,複数扱いにしてしまっている場合」などがあります。前者は現場で考えて発見するタイプのものですが,後者はそれに関する文法的な知識がないとわかりません。
②時制に関する誤りはないか?
[例] 主語が3人称単数で,現在形なので,いわゆる「3・単・現のs」が必要
×He go to school every day.
☞He goes to school every day.
※このタイプは①タイプに分類されることもあります。
③進行形にできない動詞を進行形にしていないか?
[例] 状態動詞は原則として進行形にすることができない
×I'm knowing the meaning of the word.
☞I know the meaning of the word.
④可算名詞(数えられる名詞)と不可算名詞(数えられない名詞)の区別
⑤関係代名詞・関係副詞・接続詞の使い分け
☞原則として,関係代名詞の後ろには「不完全文」が,関係副詞・接続詞の後ろは「完全文」がきます。このルールに基づいて判断すれば問題ないのですが,よくある誤解として「『先行詞の種類』で関係代名詞・関係副詞を判断してしまう」というものがあります。
※「先行詞がthe placeなので,後ろにくるのは関係副詞のwhereだ!」といったタイプの誤りです。ちなみに,「不完全文」とは「名詞が抜けてしまっている文」のことをいいます。
⑥語彙問題(用法,語法,類義語の使い分け,単語の組み合わせや相性)
☞語彙に関する問題は,マニアックな問題も多いので,“有名どころ”をおさえておくようにしましょう。深追いしすぎると非常に効率が悪い部分です。
⑦個別の文法事項に関する誤り
☞たとえば,文否定の副詞が文頭にある場合,その後ろは疑問文と同様の語順になっていなければならないところ,そうなっていないようなケースなどです。
[例]
Never I dreamed that such a thing would happen.
☞Never did I dream that such a thing would happen.
「そんなことが起こるなんて,全く夢にも思わなかった」
※これに関しては,正誤問題のなかで学習するというより,ふつうの文法学習,4択や並び替え問題などで,それぞれの事項に関する知識をストックしていく方がよいと思います。
次回以降で,これらの事項について,個別に説明していきたいと思います。